上野動物園に待望の2頭のパンダが到着した様子を夕方のニュース番組で報告していた。
新しい檻に転居。環境が変わったせいか少し興奮しがちのオス。
一方、メスは室内に入って30分ほどで与えられた孟宗竹をたいらげ熟睡したらしい。

調べてみると、中国からの「レンタル料」が2頭つがいでなんと年間8000万円。

先日、ビデオ屋で100円の旧作ばかりをせこせこ探していた自分がなんだか恥ずかしくなってきた。

動物園の入場者数増加や地域への経済効果。

絶滅危惧種であるパンダの繁殖など、いろいろな人間の都合を考えての策なのだろう。

しかし、パンダとして生きるのはどんなものなのか。

「ジロジロ見られるけど最初だけさ。慣れたらどうってことないぜ。

それよりこのご時世に家付きメシ付き、危険なし。最高だよ!ってか、この竹うめぇなー!!」
なんて言葉が意外にも本人(熊猫)たちから返ってきたりするのだろうか。

見る限りではゴロゴロ、ムシャムシャとお気楽そうな風にも見えるけど、

実はパンダという生活は過酷で、心身ともに大変なようだ。

ぼくにはとてもじゃないけれどそんなお役目など勤め上げられそうもない。

きっと頭から白か黒のペンキを被って熊に変装して脱走を企てるに違いないでしょう。

コートの中で自由にプレーすることを許されたぼくたちは恵まれている。

テレビに映る檻の中のパンダを見つめながら、ふとそんなことを考えてしまった…。