「さて、やりますか。」

フグを「不遇」でなく「福」に繋げる由来から「ふく」と呼ぶ本場・下関の南風泊市場で、

昨日はフクシーズンの終わりを告げる『ふく供養祭』が盛大に挙行された。
これからしばらくはフクの商いも閑散としてくるであろうこの時期と言えば、そう。

中川家では米作りの序章とも言える種まき期、到来。というわけで…、

爺やんと親父と僕の一家三代による共同流れ作業で数百枚の苗箱に米の種(籾)をまいた。

ノンストップで空の苗箱に「床土」「籾」「水」「覆土」という順序で作っていき、

その播種された苗箱を育苗機の中に入れ、周りをビニールシートで囲むまでが全行程。

「ラジオを流しながらやりよったら、すぐ終わるんじゃけぇ!」

これが昨年、親父が編み出した画期的なアイディアらしく、

この言葉を鵜呑みにして今年もラジオを聴きながらみんなで楽しく作業をすることにした。

しかし、これがいずれ悲劇の元凶に。

終盤ラジオの力で拍車がかかったオヤジギャグによって絞首することになるとは露知らず。

薄ら寒いギャグに対して怒りを覚える僕の意識と裏腹に限界間近の背筋と裏ももは大笑い。

この怒りの矛先を苗箱にはぶつけぬように必死に堪えはしたけれどおかげで腕もプルプル。

親父の編み出した手法は僕にとっては精神的にも肉体的にも大失敗。

そんなわけで無意味に作業は過酷になってしまったが男のプライドでなんとか無事に全行程終了。

あとはビニールシートで囲まれた育苗機の内部をヒーターで加温していくことで、

数日後には緑に輝く稲の芽が元気に産声を上げてくることだろう。
何はともあれ、今年も豊作よろしく頼むっちゃ!

そして、ここで全国の“カズ米”ファンの皆さん、お待ちかね!

皆さんからの熱いリクエストにお応えし、近日中にカズ米の再販売をしたいと計画中です。
どうか首を洗って、いえ、ジャーを洗って首を長くして待っちょってっちゃ!!