コンピュータの普及により電子化が進んだおかげで、
近年では手書きの文字を書く機会も激減してきた。
 
それでも6年ほど毎日つけている手帳と日記らしきものには、
できるだけ多くの漢字を使って書くよう心がけている。
もちろん漢字がわからないときにはあっさりデジタル化に乗っかり、
携帯やPCに甘えながら簡単に答えを導き出してもらうのだけれど…。
 
そもそも、ぼくの字は決してど下手くそではないと思う。
お習い事こそ通わせてもらえなかったが集中すればそれなりの字を書くことは出来る。
 
しかし、手帳やノートに羅列された文字たちときたら…。
まるで脳ミソからの出力に追いつけないボールペンがもどかしいかのように字が踊っている。
100mのボルト選手のような気持ちのいいフライングなんて到底できない。
 
書くというより書き殴っていると言った方が正しいような…はっきり言えば悪筆だ。
 
ただ、不思議とそこから何かが展開をしていくこともある。
それは行き先も決めずに勝手気ままに飛び出した一人旅のようでもある。
躊躇していた一歩を踏み出した途端に己の意思とは無関係にいろんなことが起こったりする。
 
そんなわけで、後から読み直すことはおろか、
悪筆ゆえにそれが自分の書いたものであるにもかかわらず解読不可能な場合が多々ある。
おかげで、たとえ誰かに拾われたとしてもさほど心配ないというセキュリティー上の利点もある。
 
僕にとっての手帳や日記は単なる消耗品に過ぎないのだろうか。
 
手帳の空きページにいつもの調子で今日からの意気込みを大きく書いてみた。
さて、解読できる人はどれだけいるのか。
そして今日またしてもボールペンのインクが無くなりました。
なぜだか幸せな気分になれた。おつかれさま。
 
ぼくとボールペンのの不思議な関係。