どこを叩いてみても「感動」だとか「涙」なんてものが出てきそうもない奴だった。

少なくとも最近までは。

3兄弟の中ではいちばん冷静で明瞭な頭脳が自慢の直。

 

先日バスケを引退してからちょこちょこつくばへ遊びに来るように。

結婚して中々会えなくなった直との久方ぶりの愉快な時間がしばらく経った頃、

会話の端々に登場するジョージ・ベイリーという名前の男がぼくの頭の隅っこにまで住みはじめ、

おぼろげながらも像を結ぶようになってきた。

 

その男がどこに住んでいるのかてんで見当もつかず、

ついに我慢できなくなったぼくは詳しい居所を訊いてみることに。

 

そして、その足でTSUTAYAへ走った。

それほどまでにぼくは彼の魅力に惹かれていた。

 

『素晴らしき哉、人生!』

 

ぼくの今後の人生のバイブルになるかもしれない。

この映画の存在、そしてジョージ・ベイリーという男が。

 

この作品は、

人生っていいものだ、人間ってすばらしい!

生きている幸せ、明日への勇気、仲間への愛、

そんなものに満ち溢れていた。

 

この1946年制作のアメリカ映画はオススメです。

真っ白な状態で見て欲しいのでネタは明かしません。

ただ、ひとつだけお伝えしておくことがあります。

 

ハンカチもしくはテッシュのご用意だけはお忘れなく。