しばらくここにやってこられずに。
ウォーキング、リハビリ、治療、酸素カプセル、睡眠、etc…
とにかく毎日が膝中心の生活。
ケガをしたのが膝だけにぼくのまわりでは”一脚”早い師走が到来していた。
そんな中、世間で師走の前日にあたる11月30日。
世界中に突然の2つの悲報が…。
1つ目は、レイカーズ一筋20年のコービー・ブライアントの引退表明。
キャリアを通じて常に神様MJの幻影につきまとわれ二番煎じと非難されてきたけれど、
間違いなく現役世代のNBA選手や世界中のプロ選手に最も影響を与えた選手。
衝突、孤独をもいとわない闘争心と支配的ともいえるリーダーシップ力。
NBAの長い歴史の中で81点以上スコアした選手や5個以上リングを持っている選手はいても、
アキレス腱断裂直後にFTを2本沈められる選手はコービーしかいない。
世界で最も危険な猛毒蛇の一種「Black Mamba」と呼ばれたレジェンドの引退声明は、
意外にもバスケットボール、そしてファンへの愛を綴ったラブレターのような内容だった…。
読んでいて、アフロ時代から満身創痍の現在までの姿が走馬灯のように駆け抜けて泣けてきた。
ほんとにさみしくなるなぁ…
引退試合は必ず誰もいない部屋でひとりで見届けたいと思う。
2つ目は、『ゲゲゲの鬼太郎』の作者でもある漫画界の巨匠、水木しげる先生の訃報。
大往生の末、現世に別れを告げることができたのだと思う…。
とにかくこの人の生き方がぼくは大好きだった。
戦争で片方の腕のほかにいろんなものを失いながらも、
貧乏、不幸にめげるどころか誰よりも”ただ生きている”ことに感謝していた人。
長生きの秘訣を睡眠と食欲旺盛と豪語されていた理由はとてつもなく深いところからきていたのだろう。
あの世とこの世を一反木綿のようにひょうひょうと越境しながら生き抜いた人生。
きっと今頃は「天国には妖怪がおらんからつまらん!!」などと言って、
鬼太郎や妖怪仲間たちと一緒に楽しく百鬼夜行の行進に参加していることだろう。
2015年11月30日は忘れられない1日。
いろんなことを考えさせてくれた2人のレジェンドに心から感謝。