「うわぁーー!!」
『やっぱ痛そうやな……』
「お前、よくこんな治療をもう一回受けようと思ったの!!」
『1時間くらいで終わるけぇ耐えろ(笑)。』
「ぐわぁぁーーーーっ!!!」
その卓越した技術を余すどころか、これでもかと言うほど直の全身に施しておられました。
なかなか快方にも向かわないものだから焦りと悩みの日々を過ごしていました。
そこで、事情を神様に説明し治療のお願いをしたところ、快く引き受けてくださり、
はるばる福岡の直の家にまで二人の身体を診に来てくださったのです。
何だか新しい友達ができたみたいでベッドの上から見つめるチョンマゲの顔は愉しげ。
どうやら前回の自分の異常な痛がり具合はまんざら大袈裟でもないと一安心していました。
それが人と時間の関係。
そんな様子を見ながら「次は俺や…」と一人そわそわして落ち着かないチョンマゲ。
「出産はこんなもんじゃないですよ!」とすぐさま返すのは一緒に来られていた神様夫人。
その後、三男“和之”は直之がいなくなった母ちゃんのお腹の中でまさかの転倒!
真横に転がってしまった上に、へその緒が首に絡まり命の危機にさらされた状態に!!
母ちゃんが苦しみ続けたこの間が…なんと1時間にも及んだそうです……。
命を懸けて闘ってくれた母ちゃんがいたから僕は誕生することができました。
なぜ、毎回こんな台詞ばかりだったのか。
<厳しい>と言うか、それとも<ひどい>と言うべきか。
けれど、今ならなんとなくその理由が分かるような気がします。
またどこか怪我をして泣いて帰ってきたわけではないというのに……。
「何でや!?」と言い返すと、家のある場所を指さしながらまたポコリとやられた。
母ちゃんが指差す先ではバスケットボールによって長屋のガラス扉が吹っ飛んでいました。
それとも鬼のような顔をしていたのか。
そして、心の中では、産んでくれた母ちゃんへの感謝の涙がただ溢れるばかりでした。
『やっぱ痛そうやな……』
「お前、よくこんな治療をもう一回受けようと思ったの!!」
『1時間くらいで終わるけぇ耐えろ(笑)。』
「ぐわぁぁーーーーっ!!!」
福岡の直の家で行われる僕と直の会話。
先日、紹介した“ゴッドハンド”を持つ鹿児島在住・イニシャルT.Nの神様が、その卓越した技術を余すどころか、これでもかと言うほど直の全身に施しておられました。
昔から僕が怪我や病気を患うと直も同時期に同様の症状にかかることがあったのだけれど、
今回も数ヶ月前から原因不明の膝痛で直もバスケットができない状態が続いており、なかなか快方にも向かわないものだから焦りと悩みの日々を過ごしていました。
そこで、事情を神様に説明し治療のお願いをしたところ、快く引き受けてくださり、
はるばる福岡の直の家にまで二人の身体を診に来てくださったのです。
先に治療を受けたのは直。
バスタオルを噛み締めながら必死に激痛に堪え続ける我が分身を目の前にしているのに、何だか新しい友達ができたみたいでベッドの上から見つめるチョンマゲの顔は愉しげ。
どうやら前回の自分の異常な痛がり具合はまんざら大袈裟でもないと一安心していました。
楽しく幸せな時間は決して止まることなく流れていくけれど、
苦しく辛い時間はまるで時計の針が止まっているかのようになかなか流れないもの。それが人と時間の関係。
治療を終えた後の直の表情は充実感と達成感以外のなにものでもなく、その勢いのまま、
しばらく将棋の対局後に悪手を指摘し合う名人同士のように神様と会話を続けていました。そんな様子を見ながら「次は俺や…」と一人そわそわして落ち着かないチョンマゲ。
と、そのとき。
「女の人の出産ってもっと痛いんですかね?」と苦笑いを浮かべながら質問をする直。「出産はこんなもんじゃないですよ!」とすぐさま返すのは一緒に来られていた神様夫人。
その口もとには母親としての厳しさ、偉大さ、我が子への想い、
照れ臭さなどなど、実に様々な感情が湛えられていたような気がしました…。微笑みを返して時計に目を落としてみると、
時計の針はちょうど1時間を回ったところでした…。ここで、ハッ!とある記憶がよみがえってきました。
それは、26年前の6月6日の夕方に母ちゃんが僕らを出産した話を聞いたときのこと。予定日より一ヶ月も早く突然産気づいてしまった母ちゃんは、すぐさま病院に直行。
病院到着からしばらくして、無事に次男“直之”を世に産み出したまでは順調でしたが、その後、三男“和之”は直之がいなくなった母ちゃんのお腹の中でまさかの転倒!
真横に転がってしまった上に、へその緒が首に絡まり命の危機にさらされた状態に!!
もちろんその後の先生の素晴らしい処置で無事に産まれることができたから、
今こうして徒然なるままにブログを書くことができているのだけれど、母ちゃんが苦しみ続けたこの間が…なんと1時間にも及んだそうです……。
命を懸けて闘ってくれた母ちゃんがいたから僕は誕生することができました。
幼い頃遊びの最中に怪我をし泣きながら家に帰ってきたときの母ちゃんのお馴染みの言葉。
「あんたは男のくせにこのくらいで痛がってから、つまらんねぇ!」なぜ、毎回こんな台詞ばかりだったのか。
<厳しい>と言うか、それとも<ひどい>と言うべきか。
けれど、今ならなんとなくその理由が分かるような気がします。
「ただいまー。」
ある日、何食わぬ顔で帰ってきた僕の頭を母ちゃんはポコリと殴る。またどこか怪我をして泣いて帰ってきたわけではないというのに……。
「何でや!?」と言い返すと、家のある場所を指さしながらまたポコリとやられた。
母ちゃんが指差す先ではバスケットボールによって長屋のガラス扉が吹っ飛んでいました。
さて、あの時の母ちゃんはどんな顔をしていたのでしょう?
やはり先ほどの神様夫人と同じような顔をしていたのでしょうか。それとも鬼のような顔をしていたのか。
きちんと反省していなかった証拠にまったく思い出すことができません。
そして、育った僕はこんな風だ。さて、今、天国の母ちゃんは僕のことを思ってどんな顔をしているのでしょう?
僕にできることと言えば、それががっかりした表情でないことを願うばかり。もう時計の針を戻すことはできないから。
治療後の直と神様の会話はそんなことを思い出させてくれた。
次に自分が治療を受けるときには自然と恐怖心は消え失せていました。そして、心の中では、産んでくれた母ちゃんへの感謝の涙がただ溢れるばかりでした。