「カズ、教えに来てくれて本当にありがとう。助かった。」
夏に下関で行われた中学校選手権大会のときに、そんな会話を交わしたばかりだった…。

それだけに一昨日突然の訃報を電話口で聞いたときは、

現実に起こったこととは信じ難く言葉を失い絶句してしまった。

自分にとって、

かつてはライバル中学校の先生であり、下関バスケット界の誇る名将。
そして、のちには上も下も関係なく誰からも愛される豊浦の大先輩となった方。

時代の流れでいろんな気苦労があったのも聞いていた。

けれど正直、周りからそんな話を聞くたびに消化不良を引き起こさずにはいられなかった。
ただの人間に過ぎない教員に完璧を求めるのは酷じゃないのか。

しかし自分がすべきことは不毛な議論や昔話をすることではない。

豊浦の後輩として先輩の為に何かできることはないか。
少しでもお世話になった恩を返せれば…

今となっては、夏に先生が体調を崩され休暇をとっていた間、

代わりに何度かバスケ部の指導に行けてよかったと心の底から思う。

池藤先生ありがとうございました。

もうあの力強いガッツポーズが見れないと思うと胸がつまります。
いつも早めに手を打てる冷静な指揮官でした。ただ、やっぱり48歳は早過ぎますよ。

ご冥福をお祈りします。