あれから4年。

中川家が今年一番の雪に包まれた極寒の今日は母ちゃんの命日。

ぼくがオフだったので初めてこの日に家族全員が実家に集合できた。

早朝の亡くなった時間にみんなで合掌。

お坊さん役の親父リードのもと経文を開きお経を読みはじめた。

「無理…ぷ、ぷぷぷっ!」

親父の読経は本当に下手。
とても月に一度、仏壇に向かってお経をあげているとは思えない。

基本的にはお坊さんの読経リズムを見よう見まねで覚えたお経だから、

節回しは正しくないうえに、仮名が振ってあるにもかかわらず漢字も平気で読み間違う。
ぼくらだけではなく母ちゃんの遺影をも全力で大笑いさせるつもりだ。

でも気持ちは100%感謝一杯。

読経を終えたあとは、

母ちゃんに、今だから声に出して言える「ありがとう」。

母ちゃんがきっかけで家族の絆がもっと深まったよ。

天国からやけぇ丸見えとは思うけど、呆れんで、これからもそばで見守ってくれ。