「だから雨は降ってな~い。」

乗り始めのお約束。
ウィンカーの代わりにワイパーを作動させながら、タンパから一路オーランドまで左ハンドルでGO。
逆走さえしなけりゃどうにかなる。
ぼくにしてみれば完全に予備知識ゼロの旅、スタート。
なんせ日本のディズニーランドにさえ行ったことがないのだから。
車を走らせること1時間と少し。
ディズニーワールド、着…?
どうやらテーマパークは一か所じゃなくて何箇所かあるらしい。
「マジックキングダムやけんね!!」
すかさず助手席の指揮官から指示が飛ぶ。
よくそんなことが判るなぁと感心しながら指示通りハンドルを切り目的地到着。

 

初めて知った…。

ミッキーマウスしかいないと思っていたら、
パレードではディズニー映画のキャラクターが次々と姿を披露してくるではないか。

カミさん一押しのアトラクション「スプラッシュマウンテン」。

外から見た感じでは絶叫ポイントはいばらの茂みへ向かって滝を滑り落ちるところ。

しかし、いざ乗ろうにも…

順番待ちの列はすでに文字通り長蛇のよう。

夜のパレードと時間がかぶる為ファストパス(予約券みたいなもの)も使えない。
1時間というのはそう長い時間でもない…と考えるしかない。

最終的にこれにアメリカンな誤差も加わり2時間30分後、ついに乗り場へ。

「ようやく乗れる」
いよいよ船縁をまたいで乗り込む瞬間…

自分の中で歓喜のウェーブが湧きおこるかと思いきや。

意外にも川に身を投じることへのうろたえ、恐怖、不安の方が強く去来した。
そう言えばもう久しくジェットコースターなんて乗っていなかった。

動き始めると案の定。

序盤からすでに水も滴るいい男。ずぶ濡れに。
アメリカという国は水関係には全くの手加減がない。

最後くらい男気を見せようと滝に落ちる瞬間の写真撮影にトライ。とりあえず直前まで。

もちろんこの先はビビって撮影大失敗。

しかし降りたあとマシーンで撮られた写真をチェックでき、
探して見てみると…

「え!?」

自分でも凹むほどの不細工さ。
他人にバレないように足早にその場を立ち去った。

その後はいくつかのアトラクション。

夜のエレクトリカルパレード。

シンデレラ城の映像投影ショーからの花火打ち上げ。

これにてようやくフィナーレ。かと思いきや、

ここからカミさん奇跡のグッズ売り場にカムバック。
なにやら再び物色し始める。どうやら友達にもお土産を買わなければいけないらしい。

かなりの運動量を有するための身体的負担に加え、

重責にも堪えねばならないこのような任務を一所懸命される”律儀”な姿。
畏敬の念に打たれた。

初ディズニーを全力で楽しんだ。

何よりカミさんが終始ご満悦だったので、めでたしめでたし。

翌日から数日間はフロリダでまったり。

何かをするというより空白の時間を満喫。

 

あの空気はいい。

とにかく頭の中を一時のあいだ空っぽにしてくれた。
たとえ何があっても、この先に何がひかえていようとも頑張れそうな気がした。

とは言ってもタンパ滞在中は消防士を目指している友人と一緒にトレーニング。

 

総重量80キロくらい。

 

これはかなりしんどくてある意味頭が真っ白に。

そして先ほど名古屋の家に到着。

「やっぱり家が一番やなぁ…。」
なんて言葉が漏れなかったから楽しいハネムーンになったのだろう。

さて、今日から地元に帰ります。