「もうとっくにそんな時期やったな…」
そう言えば、今年は初夏すら感じることなくこっちへ来てしまったからな。

トレーニングを終え、夕暮れどきの公園で一人チキンウィングに噛りついていると、

目の前を小さな光がふわっと横切っていった。一つ、また一つ。
知らなかった。まさかブルックリンにも蛍がいるなんて…。

座っていたベンチの裏の緑から淡い光を放つ蛍が次々と舞い、

トレーニング後の汗にまみれた髭男爵の周りを幻想的な雰囲気で包んでいる。
あまりの美しさに時がたつのも忘れて、しばらくその場に佇んでしまった。
小さくても力強い命の輝きに心が揺さぶられた。

そしてその夜、長男から「二人目(子ども)ができた!」と明るい報せがきました。