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3時間弱歌い続けたせいで疲れきった喉と体はもはや終演モード。
ぼくはただメロディーに身をまかせ、ゆらゆらと揺れていた。
けれど、潤さんが〆にと選曲した次曲のイントロに耳を傾けていると気持ちが高鳴ってしまい、
突然懐かしい名台詞までもが頭をよぎり自然と口ずさんでいた。
「僕は死にましぇ~ん!」
チャゲ&飛鳥『SAY YES』
♪……余計な物など 無いよね
すべてが君と僕との 愛の構えさ……♪
やはり音楽史に残る名曲は違う。
最近も良い歌はたくさんあると思うし、現代の音楽を否定すつもりも毛頭ない。
ただ、ぼくは「この歌がいま出たとしても、いけるんだろうなー」
何の根拠もなくそう思う。
まだ小学生だったから、20年以上前の歌。
ぼくが1サビとサボらず寂しく武田鉄也のモノマネをやる傍ら。
ふと視線を移すと潤さんの奥さんが涙を拭く素振りをしているように見えた。
はたしてぼくは歌を歌ってカミさんを泣かせるような真似ができるのか?
やっぱりチャゲ&飛鳥は偉大で、ぼくはまだまだ潤さんには敵わないんだなぁと思った。
潤さんの奥さんを『101回目のプロポーズ』のヒロイン役・浅野温子に見せてしまうこの歌の力。
あっぱれ。
ちなみに一緒に行った太郎さんはLOVE SONGどころか3時間ずっとこのノリでした(笑)。
お面は息子のために秋祭りで必死にGETした「海賊戦隊ゴーカイジャー」のもの。
この人には、到底足元にも及びません。