うまく説明できない。

ただ、無性に<そんな気分になる>時がある。

そんな心持ちを簡単に解決してくれる場所が渋谷にはある。

自称グルメ。

食べるのはいい。いや、むしろ大好きだ。

しかし、ときより面倒くさいのが順番だとか、マナーだとか、去り際だとか、駆け引きだとか‥‥。

ここでは、そんなものは一切存在しない。

店員さんは仕事に徹するだけ。

というより勝負の舞台を整えるだけ。

そして、いざ勝負‥‥‥

相手がそんなことを考えちゃいないのはわかっている。

それでも挨拶代わりに生卵をブチかましたらあとはもう全力で掻き込むだけ。

あくまでスピード勝負。今日もみんなで大量の汗をかきながら数分間で平らげた。

もちろん潤さんが最速。

名古屋を出る前にすでに飯、新幹線でもじゃがりことチョコまで食っていたにもかかわらず。

潤さんの意志の強さに頭が下がった。

伝説のすた丼屋渋谷店の『スタ丼』。肉飯増し。

胃がもたれて当分食いたくない。

それでも再び足を向かわせてしまうのがここのスタ丼の魔力。

もっとも、ぼくたちのようなやり取りをしない人だっている。

「いや~、やっぱ旨いねぇ」なんて人は相当の数だろう。

「腹減った」それだけで行く人もいる。

しかし、ぼくらにとってはただの丼という枠組みを超えた最強メシ。

そう、これはもはやドルフィンズの勝負メシ。

口の中に充満するニンニクの香りによって心まで満たされてしまうほどに。

来るべき決戦に備え英気も養えた。

よって明日は今シーズン1勝目、スタ丼パワーでいただきます!