先週末に韓国人の友達の家でDVD観賞をしました。
ニコラス・ケイジの『The Family Man 』という作品です。
日本のタイトルは『天使がくれた時間』と、だいぶ違うみたいです。
誰もがうらやむ成功者である独身男が、天使のせいで、
ごく一般家庭(昔別れた彼女と結婚しており子供もいる)に放り出されるというもの。

要は、<本当の幸せとは何か?>というのがテーマの話で、

はっきり言って男2人の負け組み観賞会で観るにはどうかという内容でしたが、
「そういえば俺はバスケに出会ってなかったら今頃何をしとるんやろ…??」
とか、考えさせられたりもしてなかなか興味深いものでした。

僕は基本的に冒険心・好奇心に欠けている人間。

その上に臆病な性分までもが合い重なってか、
「安定」というものにひどく落ち着きを感じるタイプだと思います。

だから、今こうしてアメリカに来てチャレンジしている状況というのは、

本来求めていたものとは対極になるので、
ホント人生何が起こるか分からんものですね♪
我が家の軒下でいつも日向ぼっこをしている猫を見るたびに
「こいつみたいになりたいわ…」と羨んでいたような人間だったのに……。

そんな性格のせいか、

これまでどこかに旅行に行きたいという衝動に駆られたこともありません。
大学時代に同期のチームメイトから旅行の計画をよくもちかけられたのですが、
「都心におる時点ですでに旅行やけぇ行く必要なし!」
と、みんなの旅心を無視した旅人の風上にも置けない発言をしていました(汗)
まあ、どうせ毎回企画倒れに終わっていたので問題はなかったんですけどね(笑)

こうやって自己分析してみると改めて自分がつまらない人間だなと再認識できました。

だからと言って、卑屈に感じたり寂しい人間だなと思ったりすることもなく、
どちらかと言うと、こんな人間で良かったとほっとしているかもしれません。
ただ、これで僕からバスケという1ピースを奪われたら
相当やばいなとは思います(爆)

こんな男がNBAという舞台を目的地に設定して旅に出ました。

この旅は具体的な地図を頭の中に描いて歩を進められるようなものではないし、
仮にできたとしても地図が突然真っ白な紙切れに変わってしまうような、
先の見えない、ツブシ、保険の利かないリスクを背負った旅かもしれません。

「本当にこの道でええのか?」

たった数歩の道のりですらこんな疑惑が頭の片隅をかすめていくことさえあります。

赤信号で立ち止まるたびに、

気づけばもう一人の自分と口論を繰り広げていることも…。
目的地までの自分を引き算しながら進める旅ならどれだけ楽なことか。

でも気がつけばそういったもの全てを背負って歩いていくこと、

そんなものに包まれていることを今の僕は快適に感じたりもしています☆
バスケだけを本気でやりたくてもできない人は山ほどいるんだから!
みんなの分まで頑張らないと!!

直之もそう。まあでもあいつは「プロに負けん社会人になる!」と意気込んで、

明らかに学生時代よりも本気でバスケに取り組んでますけど(笑)
全国実業団準優勝おめでとう♪

ツライことは自分が一番よく分かってるけどやっぱり楽しいです!

だって、昔の自分からすれば今やってることですら夢みたいなことだから。
かつては小学校の文集にさえも将来の夢は「NBA選手」ではなく、
「プロのバスケットボール選手」
としか書かないような子供だったのだから。

本当は自分にも旅心があるのかもしれません。

だから、今こうしてここにいるんじゃないか…?

まあどっちにしても、バスケットと共に少しだけの幸せが増えればそれだけでええ。