移動日の練習後に岡田が臭いことをした。
「これは全員強制っすよ!」自分でしたサプライズに照れ笑いを浮かべながらも表情を引き締めそう言い、
おもむろに鞄から取り出した黒色のリストバンドを選手全員に配り始めた。
その中心には青色でジョージの背番号である「3」という数字が刺繍されていた。
つい2年前にも同じように皆が喪章をつけてくれたことを思い出し体が震えてしまった…。滋賀との試合前のロッカールーム。
特にジョージのためにと意気込んだり、格好いい言葉を発したりする者もいない。ただ皆一様に黙って腕や手首にリストバンドをつけているだけ。
この無言の中に込められたメッセージは心の奥深いところで大きく響いていたと思う。
だからこそ2試合とも皆で必死にプレーし合い失った空白の部分を埋めることができた。
それがディフェンスであれ、リバウンドであれ、ルーズボールであれ、声であれ…。その空白の部分は実際埋められている以上に「重かった」けれど、
ただそれは決して「重苦しい」ものではなく、「爽やか」でさえあった。
実は個人的にも絶対に負けられないというか、負けたくない理由がありました…。
早いもので先週の土曜日が2年前に母ちゃんが天国へと旅立った日だったので、早朝のそのときには黙とうを捧げながら「絶対に勝ったるぞ!」と約束していたから。
おかげさまで気持ちが前に出過ぎて危うくぶっこけるところでした(笑)。ご苦労様。
声をかけてくれた喜多さん、マジで助かりました。ありがとう。そして、当日滋賀まで足を運んで応援してくださった皆さん、
皆さんの思いが確実に僕らの足りない部分やちぐはぐな個所をキレイに埋めてくれました。本当にどうもありがとうございました。
今週からもまたひとつひとつを大切にしてやっていきます。
いろいろな当たり前のことにもっともっと感謝しないと。