いざ登ってみて初めてNBAという山の真の巨大さを実感していた。
実は更にそこで霧にまで覆われてしまい視界すらなくなっているところだった。
来期への視界がハッキリと見えるのか、再び霧に閉ざされるのかを賭けた今回のDL挑戦。
そして、一つの区切りを迎えました…。

ヌカ喜びに終わりたくない気持ちがその喜びを意識的に強く抑えてしまっていたけれど、

正直トライアウト後のチームとのやり取りの段階では「いけた!」と思っていた。
最終的な結果としては、滑り落ちてしまう形になってしまったのだけれど…。

自分でもやり切ったし悔しさも何もないはずなのに、なぜか涙が溢れてしまった。

人は大きな目標を失ったときには、きっとこんな風に脆くなってしまうのだろう。

4年間。

大学最後のインカレの翌日からこれまで。

NBAという頂を目指し駆け登り続けてきたけれどここにその終止符を打とうと思います。
自分の中でやると決めたときに設定したリミットは26歳までだったから。

今、きれいごとやビジネス用語として使われているアメリカンドリームではなく、

本当の意味で「夢」を持ち、必死にそれを「目標」という形に変え、頑張った時間です。

過酷で不安定な地盤の上でも休まず止まらずとにかく歩みだけを進めてきました。

あがめられても、おごり高ぶらず。けなされても、卑屈になることなく。
ただ自分だけを信じて。

当時まだ若かったせいで理解に苦しんだけれど、止めろと反対した方もたくさんいました。

人の意見を聞き入れることや、視点を変えてみることも大切かもしれないけれど、
それでもこだわるべき「時」、「事」にはこだわっていたかった。

そして、実際やり終えた今、心から挑戦してやって良かったと思えています。

人生の中で負けの中から学べることのなんと多いことか。

一所懸命に闘って負ける。これはとても価値あること。なぜならそこで学ぶことによって、
これまで何度も他人の目には<負け>と映るそれも<勝ち>とすることができたから。

今回も負けることによって、<克つ>ことができたから。

ここまで僕の夢に関わって応援してくれた全ての人々にとにかく心から感謝しています。

この挑戦の間にどれだけたくさんの人たちと出会い応援をしてもらい、
どれだけたくさんの勇気と力をもらい、同時にどれだけ多くの心配をして頂いたことか。

ときにはショックを受けたり、反省したりすることだってありました。

ただ、自分の根源が変わっていなければ必ずまた同じことを繰り返してしまう。
だから、とにかく「感謝の気持ち」を忘れずに毎日を生きようとそれだけを心がけました。

皆さん今まで本当にどうもありがとうございます!

そして、これからもどうか宜しくお願い致します。

いろんな人がいたおかげで今の自分がある。

だから少しずついろいろな形で恩を返していけたらと思っています。

いくつか考えたいこともあって数日間は時間が必要になりそうですが、

新たな目標もすでにありますので、これからはこれまでの様々な経験を糧に、
目標の実現に向かってまた一から精一杯頑張っていきたいと思います。

そして、みんなで日本のバスケット界を良くしていきましょう。

kaz