「まだこんな時間なのに…。」

秋が深まるにつれて日が沈むスピードも加速度を増してきましたね。

ビルや家屋がたくさん立並んでいる東京の街路では、
夕日が遮られてしまうせいもあってか一層釣瓶落しに暗くなるのを感じます。

さすが枕草子にも「秋は夕暮」とたたえられているだけあって、

やはり秋の夕暮ほどものの哀れをおぼえる季節はありません。

何故だか分からないけど、ちょっぴり切なく、少しだけ物悲しいような…。

何とも表現しがたい気持ちに誘われます。長い夜が嫌いなのかな?
睡眠とは人一倍縁が深いお寝坊さんだからそれはないはずだけれど…。

さて、こんな今宵だからこそまた秋刀魚をご賞味させていただきます。

秋刀魚の刺身と睨めっこを開始してからかれこれ数分が経過している秋の一夜、
あらかじめ添えられた生姜と付き合うべきなのか、
それとも冷蔵庫にあるわさびと一緒にいくべきなのかで心が揺れる25歳男。
浮気や二股はできない性格だからな…。

どうやら激論の末に自分の中のわさび派の人格が勝利を収めたようなので、

心変わりする前にとっととこの方針に従うことにします。
幸せな悩みを抱えられることに感謝しながら。